「今の所、髪の毛は癖毛のこげ茶は確定」

優空は眼鏡を指であげながらメモを読んだ。

「イケメンに間違いはないかな」

そして、女子の群れをちらりと見て言った。

「んふふ、面白くなるよぉ」

「私、面白くなくてもいいから、平和に暮らしたい」

ぶっちゃけ、転校生がイケメンでも外国人でも、動物でもいいし。

動物ならブタさんがいいな。
可愛い。

「もー!楽しい楽しい高校生活を平和一筋だけなんて、楽しくないじゃない」

確かに。
この高校がよくて、たくさん勉強して受かったしね。

優空は私の目の前に人差し指を一本立てて、念を押した。


「一回限りの高校生活だよぉ」


「………一回限り…」

そう思えば思うほど

「やっぱり平和がいい…」

そう言うと、優空は自身の三つ編みをいじりながら言った。

「頑固者っ。まぁ人それぞれだけどさ。でも今回の転校生見たら、何か変わるかもよ」



この時まさか、優空の言うとおりになるとは、まだ私は知らなかった。