ラビットクリニック


え、やるって何を!?

喉まで出かかった言葉を必死に飲み込んだ。


変に期待してるなんて、思われたくない。


「せ、せんせい!!ほら、早く食べないとお昼休み終わっちゃいます!!!」

「えー、みいが食べさせてくれたらすぐ終わるのになあ…」

そう言って、再度唇を指差す彼。

綺麗な指の先には、これまた魅力的な唇。

いい感じで影が出来てて柔らかそうなそれは、わたしを誘惑する。

違うってば!!

先生はキスじゃなくて、"あーん"を望んでるだけであって―…

いやいや、"あーん"も大層立派なことだけれども!


「せんせい、からかうのはよして―…」

「おいで、みい」

綺麗な唇は、そう言葉を紡ぐ。


「………っ」

わたしは、その言葉にだけは逆らうことは出来なくて、



「いい子だね、みい」

まるでペットをあやすかのように、隣に座ったわたしの頭を撫でる彼。


そう、どうせ彼にとってそんな存在でしかないのに、何を自分は意識してしまっているんだろう。


「せんせい、」

「ん?」


「…"あーん"」