ラビットクリニック


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そわそわする。

待ち合わせ場所まで行く途中、あれほどショーウインドウで自分の姿が変じゃないか確認したのに、今もまた手鏡を開いてしまう。


花柄の膝丈ワンピースに、華奢なミュールを合わせてみた。

先生の好みに合っていればいいんだけれど。

…ユ、ユウワク出来ちゃうかな、なんて。



ドキドキが止まらない。

今でさえこんなに緊張しているのに先生が来てしまったらわたし、どうなっちゃうんだろう―…


「みい」

「ふぇ?」

突然愛しい声がしたと思ったら、視界が真っ暗になる。



「おまたせ」

「せ、せんせ」

先生の温かさを近くで感じる。

でも、それ以上にわたしの体温は上昇していって、


「は、恥ずかしいですっ。とって下さいっ」

もう、限界値に達そうとしていた。


「はは、ごめん」

そう言って、開けた視界の先には待ちわびていた人の姿。



「行こうか」

「はいっ…」

緊張で震えているのがバレないように、差し出された手を握った。