「…今日の夜、空いてる?」
「………え」
自分の耳を疑った。
「毎日こうやってお弁当作ってもらってるから、お礼としては足りないかもしれないけど、俺の奢りでどう?…それに、みいとはもっと話をしたいし」
それは、食事のお誘い。
先生はお弁当を作る手間を労って誘ってくれているんだろうけど、わたしとしては元々料理が好きだし、それにお弁当の時間はわたしがシンデレラになれる幸せな時間。
それだけで十分なのに、食事に誘ってくれるなんて。
「あの…」
「ん?」
「わたしなんかで、いいんでしょうか…?」
眉を下げて先生を見上げる。
やはり、こんなに素敵な人に食事に誘ってもらえるなんて、ばち当たりなんじゃないか、という思いは消せない。
「みい、」
「!!…ひ、ひぇんひぇえ、」
いきなり、先生の腕が伸びてきたかと思ったらほっぺを引っ張られる。
予想外の行動にびっくりというか、先生の遊び心はいつになっても慣れない。
心臓が破裂しちゃう。


