口ごもる俺を、美紀はしばらく黙って見つめていた。
「ああいうのは、しばらくそっとしておくのが良いのよ。山村さんも言ってたけど。別れろ、って言うほど燃えちゃうものでしょう?」
「まあ」
「そんなの逆効果だよ。私も凛ちゃんの前では何も知らないフリするから」
「…ああ」
俺は溜め息混じりにそう答えて、冷蔵庫のドアを開けてビールの缶を取り出した。
「それとも、やっぱり他に何か理由があるの?」
美紀の声を背中に受けて、俺はビールを飲もうとした手を止める。
「凛ちゃんに会ってから何だか潤くん変わったよね。いつも冷静だったのに、感情がグルグル変わってるみたい。まるで凛ちゃんのこ…」

