「ううん。美紀ちゃんがあの時ひっぱたいてくれなかったら、私まだグレてました」
「ひっぱたいて?」
「そうなんですよ。悪い友達と夜遊びしてたら,そこまで美紀ちゃん来て。いきなりバチーンと!」
「美紀が?」
そんなエピソード、初めて聞いた。
だけど勝気な美紀なら目に浮かぶようだった。
「へへ、すごい先生ですよね。美紀ちゃんなら絶対イイ教師になれたと思うのに、すごく残念。悔しいな」
「ありがとう。…って俺が言うのも変だけどさ」
「…あっ!」
いきなり大声を上げた凛。
そして内緒話のように俺の耳に近付く。

