小さな声でそう呟く。

そんな俺を、美紀は不思議そうに見つめた。

「何が?」

「ここまでこれたのは美紀のおかげ」

「そんなことないよ」

「…美紀、結婚しようか」

「えっ」
 
美紀が驚いたように目を丸くする。

「仕事もう少し落ち着いてからになるけど。…結婚しよう」

「潤くん…」
 
少し間を空けて、美紀の目から大粒の涙が零れた。