不安と、嫉妬。

その感情が何なのかは自分でも分からないー。
 



「わぁ! すごい!!」

会場に完成が響き渡る。

「もうすぐラストかな?」

「うん…」


最後の大きな連続花火が打ち上がった時、俊介と凛の指が重なった。

俊介の指がしっかりと凛の指に絡んだのを確認して、俺はゆっくりと目を閉じる。


…もう見ていられない。




『花火の夜は恋が叶うんだって』