「だからって、ちょっとはしゃぎすぎじゃねーか?」 俺は少し苦笑ながら、金魚すくいをする美紀を見守る。 「…あれ」 ふと人込みに視線を移すと、見慣れた顔が一瞬だけ見えた気がした。 「俊?」 今、一瞬だけ俊介の顔が見えた気がする。 「どうしたの?」 「今、俊が」 「えー? こんなとこに?」 美紀も身を乗り出して人込みを見る。 「あ…!!」 やっぱり俊介がいた。 今度ははっきりとその顔を確認した。 帽子を被ってるものの、明らかにオーラが違う。