「ん、昔から」 「どんな人なんだろう。羨ましいけど、私もファンとして聴けるからそれで充分ですっ」 笑顔だけど、悲しい声。 明らかに無理をしている凛の姿に、俺の心はズキッと痛む。 「あ! 私、少しお片づけしときますね」 凛はそう言っててテーブルの上を片付け始めた。 俺はその後ろ姿を見つめながら、軽く頭を抱える。 …何でワザワザあんな意地悪なこと言ったんだろう? 俊介が既婚者だなんて、ファンだったら当然知ってるはずなのに。