「女優になりたいって。先生見てたら自分も夢の為に頑張ろうと思えた、って」
「そっか。で、今回オーディションを…。今、演劇科がある高校通ってるんだって言ってたしな」
「みたい。ちらっと聞いたけど雑誌で読者モデルみたいな仕事もしてるんだって!」
「らしいな」
「夢に向かって頑張ってるって知れて今日はホント良かった~」
満面の笑みで美紀はそう言う。
ここまで嬉しそうな美紀の顔は久しぶりに見た気がする。
「それと、やっぱり最初で最後の生徒だし。忘れられないよ」
「美紀…」
元々 心臓の病を抱えていた美紀は、大学4年の夏に病を悪化させた。
教師になる夢を諦めざるを得なかった。

