天使が舞い降りた。


「…」

「まあ怒っても仕方ないか。少し休んでていいよ。酔い覚めたら送ってく」


凛の様子からして、俊介と何かがあったことは一目瞭然だった。

俺は敢えてそれ以上何も言わずに、ピアノの椅子へと腰を掛ける。


「昨日、初めて聞きました」

「え?」

「美紀ちゃんとのこと」

凛は遠慮がちにそう言って、スッキリしてしまった部屋を見回す。

「私のせいですか?」

「…」

「何か私、関係してますか?」
 
 
凛の言葉にこの間の出来事が蘇った。

今も唇に残るこの感触…。