「そうだよ、そんなに甘やかされたらすっごく我儘な子になっちゃうよ、私」


いつもセツナは気をつかってくれるから逆に心配だな。


疲れちゃわないか。


「我儘な茜か……」


そう呟いてからセツナは少し考えていた。


「どうしたの?やっぱり我儘な私は嫌でしょ」


黙りこんでしまったセツナに茜は心配になり声をかけた。


それに反応してセツナは言った。


「そんなんじゃないよ、我儘な茜を想像したらそれもいいなって」


「ええ!!いいの!我儘が」


セツナにそう言われるとは思いもしなかったよ!


「だって、茜は何でも自分でやるから……」


セツナはもっと甘やかしたいのだと言う。


「私、もう十分甘やかしてもらってるよ?」


「僕には全然足りないよ」


こういう話を聞くとセツナに愛されているんだと実感できる。


とても心があたたかくなる。


「私は十分満足してるよ?」


「僕が不満!僕は茜を甘やかしたいのに……」


セツナの顔はとても真剣だった。


うぅ……


こんなこと何回も言われたら恥ずかしいよぅ。


茜の顔はよくいろんだ林檎のように真っ赤だった。