信号が赤になったのを見計らい、電話に出る。 「もしもし。今悪いけど運転中なんだ。後でまたかける。」 『この時間に車って……お前、まさか…』 「また後で、かけるから。」 念を押す。 『…わかった。必ず、かけてこいよ?』 いつにない真剣な声に、 違和感を感じた。 話そうとしたとき、 信号が青に変わる。 「…じゃあ、後で。」 嫌な、嫌な予感がする。 家に着き、 残り香がする上着をハンガーにかけ、すぐに電話をした。 1コールで出た。 またそれが、何か嫌な予兆を物語っていた。