君が必要とする限り



最低な人間は、
こんなに正直に打ち明けるはずがない。


だから、もうそんなに自分を責めないで。
お願いだから……



揺れる瞳。
赤くなった頬。
濡れた唇。


ああ、ダメだ。


もう、理性が、保てない。






何度も何度も重なる唇。
徐々に近づく、2人の距離。


柔らかい彼女の体が、触れる。


ほら、下を向かないで。
俺を見て。


唇が離れるたびに、
離すまいと唇を重ねた。


時折漏れる甘い声に、
さらに脳が麻痺する。



昔、妹が言っていたことがある。

漫画や小説に出てくる少年が、
可愛すぎる彼女に、
『理性が保てない』と発言し、
抱くという場面。


『お兄ちゃん、これ、本当?』


『さぁな。でも、男なら理性は保てるだろうな、普通。』



…はい、嘘でした。


俺は今、彼女が愛しすぎて、
理性がぶっ飛んでいる。