君が必要とする限り



震える彼女の声に導かれるように、俺は抱き締めていた。


何となく、
何となくだけど、そんな気がしてた。


彼女が、嘘をついていたこと。


白い肌に浮き上がる、
前よりも薄くなったキスマーク。


どんな男に抱かれてきたのか、
わかるはずもない。


わかるはずもないけれど、
許せなかった。


気付かなかった。
俺は、意外と独占欲が強いらしい。


俺の腕の中で涙を流す彼女は、
本当に本当に、愛しくて。


彼女を傷つけた過去たちを、
果てしなく恨んだ。



―君のことが、好きなんだ。


純粋に、気付いてしまった。