君が必要とする限り



一度唇が触れて、
目を開けた。


先生の顔はさっきよりも近くにあって、
先生の長い睫毛が触れそうになる。


体が熱くて、目眩がしそう。


恥ずかしくなって下を向くと、
先生の指先が私の顎を掴んだ。


そして、上にあげる。


目と目が、合う。


瞬きするのも、忘れるくらい
先生の瞳を見つめてた。


離れたくなくて、離れたくなくて。


先生の首に腕を回すと、
さっきよりも自然に
唇が重なった。


夢中になって、求めあって


夢中になって、感覚に酔い痴れて……


気付いたら私たちは、
壁に沿うように床に座り込んでいた。



荒れた息遣いが、
2人しかいないリビングに響く。