君が必要とする限り



時間が過ぎるのを黙って待つのはあまりにも虚しくて


何も解決してくれない。


だからそんな時は、
すぐに呼んでほしい。
声を聞かせてほしい。


君が闇から抜け出せるなら、
俺はもう、何もいらない。


君が笑ってくれるなら、
俺はもう、何もいらない。


君が、好きだから。


無邪気に笑い、
素直に涙を流す君が、好きだから………





――ガタリと銃が落ち、
彼女の力が抜けるのがわかった。

震える体に、溢れる涙。


その泣き声は、
この冷たい病院に響いた。



いつの間にか集まった、たくさんの観衆。


その中に、達也くんを見た。


彼女を抱き締める。
強く、強く
壊れるほどに、強く。


その涙が乾いても、
君が必要とするならば、
俺はずっとずっと傍にいるから。

君が必要とする限り、
傍に、いるから。