君が必要とする限り



「もう、この部屋ともさよならだね……」


今まで住んでいたこの部屋の家具は全部浩樹の家に送った。


私物は、捨てた。


だだっ広いこの部屋は、
私には贅沢すぎた。


ここは、さらに孤独に感じるから。


先生は、あの鍵をまだ持っているかな?


…ごめんね、先生。


私たちは、知り合っちゃいけなかったね。


好きになっちゃ、
いけなかった。