昨日のリョウとの電話で、私の不安は少し消えた。


でも、完全じゃない。

あいつ・・・・


黒木 新がまだ。


いつもどおりに、学校に行き席に着く。

教室は、にぎやか。

そして、その和の真ん中には新がいる。

私は、彼を怒鳴ったことを後悔して・・・。


でも、許してはなくて。


もう・・・自分で自分の考えてることが分かんない。


あ~もう!!
髪の毛をクシャクシャにする。



ほんと、なんなの。



「今井さん?」

机に座っている私の正面にひとつの影。

顔をあげるとそこには黒木。


「なに?」

今、コイツの顔あんまり見たくないんだけど。


わざと視線をそらして言う。

「おはよ。」


意外にも、黒木はそれだけ言ってまたにぎやかな和の中に戻っていった。


「おっはよ~んののか。」


背中に激痛が走った。

「っ痛!!」

思いきり叩かれたようだ。

振り返ると奈々がいた。


「痛いよ奈々。」

顔をしかめて言うが、

「ゴメンゴメン」

と、陽気に返してくる。



「今、黒木君と喋ってたね。」


ニヤニヤしながら聞いてくる。

「喋ってたというか、あいさつされただけだし。」

「でも、黒木君が自分から女の子にあいさつするなんて、ののか以外いないよ。」



そんなの・・・。
単にあの事で関わってるからでしょ。



「ね、ののか。黒木君の事どう思う?」


どうって・・・。


「ぶっちゃけて、キライ。」


本音。

「え~何で?あんないい人なのに。」

いい人なのは、猫かぶり。
実際は、法律守んない最低最悪な奴。



「黒木君、ののかの事気に入ってるっぽいし。」


気に入ってるっぽいってなに?
別に、気にいられなくていいんだけど。


「それはないよ~。」


いくまでも、笑顔で。
友達にやつ当たりなんてしない。