『…お客様がおかけになった番号は只今、電波の届かない…』 「でない…」 目をキラキラさせていた梨香の表情が いきなり怖くなった。 「えっでない!?」 「電波の届かないところにいるそうです」 「まじ?!向こう、夜中?」 「んー夜。なはず…」 あたしの頭の中に悪い考えが浮かんでくる。 もうあたしのことなんか忘れちゃったのかも… 待っているのはあたしだけかも… 「まー電池なくなっただけかもしれないし、あんま落ちこまないの!」 「うん…」 「かけなおしてくるって!」 「うん」