町に入ると変わった服装が目に入った。

何か祭りでもあるのかと思い、とりあえず渡された地図の場所に向かう。

その地図はおれがこれからひとりで生活してゆく家の地図だ。

昔はおれの曾祖父が住んでいたとかで、おれも七歳の頃に一度来ただけだった。

うちは、昔 江戸時代からの有名な物書きでその才能は現世の今も受け継がれ、いまや多彩な分野でその力を発揮している。

兄は今やその道で代表的な小説家で、父は現代の詩仙とよばれるほどの有名人だ。

代々そんな才能人が生まれるからこそ、子供への期待は大きなものだった。