妄想な彼女



『…と、いうことだ沖田。』


病気のことは伏せ、しばらく新撰組としての活動を休養したほうがいいと伝えた近藤

『…分かりました。』


沖田の表情はどこか悔しそうで、近藤はそんな表情を見て切ない顔を見せた


『私…いや、俺は戻ってこれますよね。』

『あぁ。』


近藤はぐっ…と息を堪えてから、すぐに表情を明るく変え言った


『その言葉を訊いて安心しました。必ず戻ってきます。

…俺はまだ、父上の残された思いを叶えてない。

だからっ…』

ぎゅっ…


近藤は沖田を抱きしめる


「ひゅー」

という冷やかしの声が聞こえてくると思ったが、そんな声聞こえてこない


不思議に思い俺は観客席を見た


―――嘘だろ?



中には涙を流しそうな女子もいる


―みんな、コイツの世界に入ってる



「…どうしたんですか?棗サン!次のセリフ!」


小声で言った美緒の言葉にハッとした



『………待ってる。』


俺は慌てて演技を続けた