翌朝。

目が覚めたので躰を起こすと、ズキッと頭が痛んだ。

「――イテテ…」

頭痛に押されたと言うように、躰の節々の関節も痛み始めた。

これは…ただごとじゃないな。

そう思った俺は痛み出す躰をこらえながら、ベッドを抜け出してリビングへと足を向かわせた。

電話の子機を手にとると、会社の電話番号を押した。

耳に子機を当てると、規則正しいコール音が鳴っていた。

ガチャッ

「はい」

課長の声が電話越しに聞こえた。

「若宮です、おはようございます」

「何だ、どうした?」

そう聞いてきた課長に、
「体調を崩したみたいなので、休ませてもらえないでしょうか?」

俺が言ったとたん、課長のため息が電話越しに聞こえた。

何も電話口でため息なんかつかなくてもいいじゃないかと、俺は心の中で呟いた。