「楽しかったね、今日のデート」

椅子に背中を預けながら、一也さんが言った。

「変なお客さんもきちゃったけど」

そう言った私に、
「その件に関してはツッコミなしね」

「何それ〜」

私が笑うと、つられるように一也さんも笑った。

でも、そのおかげで一也さんの意外な一面が知れてよかったと思ってるよ?

時々課長さんに怒られていることとか、いろいろね。

「はーあ」

ひとしきり笑った後、一也さんが私の肩に頭を置いてきた。

「えっ…か、一也さん!?」

突然のことに、私は戸惑った。

「眠い」

目をトロンとさせて、一也さんが言った。

ね、眠いって…。

「ついたら起こしてね」

そう言うと、一也さんは目を閉じた。