幸せな結末

「あれ、若宮じゃないの」

その声に振り返ると、
「わあっ!」

俺は後退りをした。

「何も、そんなに驚かなくてもいいじゃない」

クスクスと、東雲主任はおかしそうに笑った。

いや、真後ろにいたら誰だって驚くでしょ。

そして、フッと俺は思い出した。

「主任、会議は?」

そう聞いた俺に、
「んー、取引先の都合で30分遅れるみたい」
と、主任は答えた。

「あの、これ…」

俺は持っていた書類を差し出した。

「ああ、これね。

忘れてたから取りに行こうと思ってたとこだったの」

主任は俺の手から書類を受け取った。

「じゃ、俺は戻るから」

主任は手を振ると、去って行った。