数日後の夜。

「大丈夫?」

俺は美羽ちゃんに声をかけた。

「あれだけ練習を頑張ったんだもん。

理彩さんも堺さんも、みんな協力してくれたんだし」

美羽ちゃんはニコッと笑った。

「もうそろそろ、くるんじゃない?」

「あ、そうだね。

じゃあ、隠れててね」

「美羽ちゃんも頑張って」

そう言って手を振ると、俺は公園のトイレに隠れた。

「過保護過ぎるぞ、若宮」

胸のところで腕を組んだ課長が俺に言った。

「過保護なところは、南野課長も一緒だと思うけど?」

眼鏡の奥の目で笑いながら言った主任に、
「東雲主任は平気なんですか?」

ため息混じりに課長が聞いた。