「大丈夫?」

俺の問いに、美羽ちゃんは微笑んだ。

けどその顔は、無理をしてると言っても過言ではなかった。

「…大丈夫、だから」

心配をかけまいと、笑っているところが丸出しだ。

けど本人の前で、それを言ってはいけないような気がした。

「私、ちょっと具合が悪くなっちゃったみたい」

美羽ちゃんが言った。

「大丈夫?」

俺の問いに、美羽ちゃんが首を縦に振ってうなずいた。

それ以上美羽ちゃんは何も言わず、黙って自室へと入って行った。

一体何があったのだろう?

何があって、彼女は声を荒げて怒鳴っていたのだろう。

気になって仕方がなかった。

けど、本人には聞いていけないような気がした。