数日後、美香から電話があった。

ようやく両親と話がついたと言う連絡だった。

美香は大学を辞め、彼氏と働きながら子供を育てると言うことになった。

「よかったね、美香ちゃん」

食後の後片づけをしながら、美羽ちゃんが言った。

「まあな、よかったよ」

あのおてんば娘がとうとう母親か…。

何だか先を越された気分だ。

そう思って、俺はふうっと息を吐いた。

思えば、俺がこうしているのも全部美羽ちゃんのおかげなんだよな。

美香が出て行った時、美羽ちゃんが言ってくれなければ俺は何にもできなかったかも知れない。

「それで、結婚式は子供を産んでからなんでしょ?」

「えっ…ああ、うん」

自分の世界に入ってしまったことを反省した。