私は何時間リビングにいたのだろう?

けたたましい電話の音で、ハッと我に返った。

「もしもし?」

受話器を取ると、耳に当てた。

「一也?

お母さんだけど」

えっ…お、お母さん!?

いきなりの事態に、私は戸惑った。

だって、お母さんよ!?

私のお母さんだったらまだしも、一也さんのお母さんよ!?

「一也?」

私が戸惑っていると、一也さんのお母さんが聞いてきた。

「――あの、えっと…」

言いたいことはあるけど、どう言えばいいのだろうか?

「わ…私、一也さんとおつきあいをさせてもらっています、楠田美羽と申します」

先に自己紹介をした方がいいと思い、私は自分の名前を言った。