「――ホントに、いいの?」

ポツリと彼女の唇からもれた言葉に、俺は首を縦に振ってうなずいた。

「料理ができても、家事はできないと思うよ?」

「それでもいい」

「あんまり忙しいと、片づけられないかも知れないよ?」

「構わない」

それが条件と言うならば、何でも受け入れる。

「ホントに、信じちゃうよ?」

美羽ちゃんが言った。

「信じていいよ」

俺が心の底から思って、一緒に暮らそうと言ったのだから。

「一也さん」

「んっ?」

「好き」

…不意打ちだ。

と言うか、それはないだろ?

無意識に紅くなる顔を感じながら、俺は思った。