そう思いながら、俺は課長からの返事を待った。

「仕方ない、ゆっくり休め」

課長が言った。

「すみません、ありがとうございます」

俺がお礼を言ったのと同時に、
「ん」

ガチャリと、電話が切れた。

「はあ…」

俺は子機を元の場所に戻すと、テレビの下から救急箱を取り出した。

そこから風邪薬を取り出して、水と一緒に飲むと寝室へと戻った。

ベッドに入ったとたんに、睡魔がやってきた。

それに誘われるように、俺はそっと目を閉じた。


けたたましい電話の音で、眠りから引き戻された。

こんな時に一体何だと言うのだろう?

そう思いながらダルい躰を引きずるようにリビングへと足を向かわせると、子機を手にとった。