~悠也side~



「・・・・また、やってたのかよ」

俺は玄関を開けて、
ただ、ただ
立ち尽くすしかなかった。


「・・・・してない・・・」


そう言って顔を上げた
彼女の目は、焦点さえも
あっていなかった。

「嘘ついても、バレるぞ?」

「・・・・ごめんなさい」

彼女は右手を前に突き出し
床に袋を落とした。



シンナー。



「サクラ・・・」

俺はサクラを優しく抱きしめた。


「今日は、もう寝ろ」


「・・・・うん」

サクラは
俯き、頷いた。


そしてよろよろ歩き出した。