小さく溜息をついて、ベリルは持っているバッグから緑色の粉末を取り出した。

 それを甘めのコーヒーに入れてかき混ぜる。

[!]
「二日酔いに効く」

[薬草か……]

 左手でこめかみを押えながらコップを受け取った。

「少し苦いが我慢しろ」
[……少し、どころではない]

 苦さに体を震わせる。

「治ったら出るぞ」

[癒しの民の処に行くのなら、治してもらうというのはどうだろうか]

 ヴァラオムの提案に、ベリルは目を据わらせた。

「そんな情けない姿を見せたいなら構わんぞ」

[……]

 ヴァラオムは無言で床に寝そべった。