「グリーン・ウィルム?」

「元々グリーン・ウィルムは低俗なドラゴンの種族だ。さらにその眷属ともなると知能はワイバーン並だろう」

 艶やかな緑色の2mもあるトカゲを思わせる容姿。青い目が愛らしい。足は6本ある。

 ワイバーンのような毒のトゲも、アシッドドラゴンなどのような強力なブレス(息)も持たない。

「人にもよく慣れる。ある地域では乗り物として使っているらしい」

「うへ~」

「くさってもドラゴン。俺の乾きを癒してくれる」

 ドラゴンの下あごをなでながらヴァンパイアは応えた。それに嬉しそうに喉を鳴らしている。

「何故、人を襲わない?」

「……そんな事をしたら追われるじゃないか」

 俺は、人間が嫌いでも1人が好きな訳でもないんだ。

 ヴァンパイアは目を伏せてつぶやいた。

「名を聞いて無かったな」
「レクシェ」

「お前がこの先もそうであるなら、我々はこのまま戻るとしよう」

 ベリルの言葉に目を丸くした。