[ウ~暑い]

 つぶやいてヴァラオムはベランダに這いずりながら進む。

「芋虫かてめぇ……」

 ベランダの窓を開き、外に出る。そしてそのまま寝息を立てた。

「……まあ、寝てくれた方が有り難い」

 ベリルはそう言って気持ちよさそうに寝ているヴァラオムを眺める。

「変身が解けたりしないだろうな?」

 テイシンは少し怖くなった。

「心配無い。同じ魔法で元に戻るようになっている」

「それなら安心か……」

 2人は水を飲んでひとまず落ち着く。

「風呂でも行くか?」

 テイシンが提案し、ベリルは頷いた。そうして2人はヴァラオムを残して風呂屋へ向かった。

 男同士の会話を交わし、暖まった体でテイシンの家に。

 ヴァラオムはまだベランダで寝ていたが、そのままにしてベリルは客用のベッドに体を埋める。