なんとか回復したヴァラオムと共に酒場に向かうベリルとテイシン。

 ヴァラオムは次にパスコに会った時、噛みつくような勢いだ。

 テイシンお勧めの酒場で酒を傾ける。

[くはーっ美味い!]
「……」
「大丈夫か? おい」

 やけ酒気味のヴァラオム。あっという間に大きめのコップに入った酒を飲み干した。

「ヴァラオムは酒は強い方だが……」

[ぐるるるる……今度会ったら絶対に噛みついてやる]

 怖い事を言いながら、運ばれて来た酒を半ば奪うようにして掴み勢いよく口に運んだ。

 悪酔いの予感……ベリルは巻き舌で声を張り上げるヴァラオムを見つめた。

「酒癖の悪いドラゴンだなぁ……」
「すまん。よほどだったのだろう」

 テイシンとベリルは、ヴァラオムの両肩をそれぞれ抱えて家路に向かった。

「は~やれやれ」

 テイシンは疲れたように肩を回した。

 ヴァラオムを床に転がし、ベリルも小さく溜息を吐き出した。