時が止まった事に──

 皆と同じに生きられない事実に、驚愕するのだろうか……ヴァラオムはベリルの心中を図りかねた。

「……ヴァラオム」
[! なんだね?]

 ベリルはニコリと笑う。

「ウサギを捕まえてくれないか」
[……いいだろう!]

 今夜の料理はウサギのスープだ。

 ヴァラオムは大きくはばたくと、空に駆け上るように飛んだ。

[彼のスープは絶品なのだ!]

 声を張り上げ白いドラゴンは勇ましくウサギを探した。


 END

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