「これはわたしからの贈り物だ。呪いだよ。お前が怖がるものだ。受け取ってくれ」

[……まさか]

 ヴァラオムの目が大きく見開かれ、ベリルを見つめた。

 ベリルの瞳は、冷たくレジカを見つめるだけだ。そんなベリルをギロリと睨み付け、

「わたしはこのまま死ぬだろう。しかし、お前に安らぎは訪れない。止まった時の中で醜く生きながらえるがいい……美しい化け物よ」

「……」

 無言で部屋から出て行くベリル。

「アーハッハッハッ……!」

 レジカの高笑いが、屋敷から出るまで耳に響いた。

 ヴァラオムがベリルの馬を探して連れてくる。その手綱を持ち夕暮れの空を仰いだ。

[……]

 ヴァラオムはベリルの横顔を静かに見つめる。

 不老不死……それを確かめる術(すべ)は今は無い。

 いつか、ふいに知らされるのだろうか。