“ドカァ!!”

[ベリル!!]

 ヴァラオムが壁を突き破って入ってきた。

「! 無粋なドラゴンめっ」
「っ……ディナス!」

 苦しみながらベリルは叫んだ。

 封印されていた剣はその声に反応するように微かに震え、ガラスが割れるような音と共に封印が解かれた。

剣は素早くベリルの手に収まり、そのままレジカの胴体に一閃を走らせた。

「……馬鹿な」

 痛みよりも驚きが表情を支配する。腰を抜かしたようにへたり込むと、言い聞かせるように発した。

「不死だぞ? どうして受け入れない」
「そんなものは必要ない。と言った」

 息を切らせて立ち上がる。

「何故だ……」

 厳しい瞳で見つめるベリルを呆然と見上げたあと、レジカは少しずつ笑いをこぼした。

「ク……クク。そうか、お前は不死が怖いのだ。永劫の時間、止まった時間が恐ろしいのだな」

[それに恐怖しない者などいるものか]