「お客様だよ」と、長老。
「いつ帰るの?」
「しばらくいるそうだ」
「!」

 よろめいた少女に、ジェイドは思わず手を差し出した。

 その手を握りしめ、少女はニッコリと笑う。

「あそぼ~」
「あっ」

 手を引かれ、他の子どもたちの処まで誘導された。

 ジェイドはしゃがみ込み、子どもたちと視線を合わせる。彼の肩までの髪をつまんで、嬉しそうにする女の子。

「きれいな髪~」

「……」

 その様子を眺める長老とカーティス。老人の目は険しい。

「まさか、そんな事になっていたとは」

「ええ。ベリルが見つけていなければ、とんでもない事になっていましたよ」

「よほど苦労したのだろうな」

 老人はジェイドの顔を見つめてつぶやいた。