ジェイドは一息つくと外に出た。

「あなた様の事はわしとカーティスだけの話としておきます」

「すまない」

 集落を眺める目を細める。

「……」

 子どもたちが満面の笑顔で力の限りに遊び合う。

「平和だな」
「そう見えますかな?」
「本当は、子どもたちも不安なんですよ」

「!」

「わしらの民は特有の能力は持ち合わせておりませぬ。人の持つ潜在的な能力を引き出すだけ」

 この世界に生まれた者だからこそ、この世界に流れるエネルギーを読める。

 それが彼らの教えであり、気の流れを読む能力につながる。

 感じ取る能力に個人の差はあれど、集落にいる人々は大気の乱れを感じていた。

「長老さま。このひとだぁれ?」

 少女がジェイドを見つめて問いかけた。