「可愛いじゃろう。もう名は付けたのか?」
老人は赤子を見つめるベリルの頭をなでながら、息子の嫁に問いかけた。
「サナと名付けました」
「! そうか、良い名だ」
しかし、そんな幸せもつかの間だった。
サナが生まれて6年後、長老の息子が旅先で死んだ事を告げられる。
長老らしく、その時は凛として対応していたが1人になるとうなだれて息子の遺品を優しく何度もさすった。
「!」
そんな老人の前に、ベリルは何も言わずに近づく。
「ベリル……死は誰にでも訪れる。解ってはいる事だが、悲しいものは仕方ないのぅ。他の息子や娘たちも、無事だろうか」
そんな曇った瞳を見つめて、ベリルはあぐらをかいている老人の足下にしゃがみ込みその遺品に手を添えた。
「ベリルっ」
老人はベリルを強く抱きしめて泣き声を上げた。
胸につかえていた想いを、少年に一気に解き放つように。
「……」
ベリルはそれを、ただ黙って目を閉じその腕に手を添える。
老人は赤子を見つめるベリルの頭をなでながら、息子の嫁に問いかけた。
「サナと名付けました」
「! そうか、良い名だ」
しかし、そんな幸せもつかの間だった。
サナが生まれて6年後、長老の息子が旅先で死んだ事を告げられる。
長老らしく、その時は凛として対応していたが1人になるとうなだれて息子の遺品を優しく何度もさすった。
「!」
そんな老人の前に、ベリルは何も言わずに近づく。
「ベリル……死は誰にでも訪れる。解ってはいる事だが、悲しいものは仕方ないのぅ。他の息子や娘たちも、無事だろうか」
そんな曇った瞳を見つめて、ベリルはあぐらをかいている老人の足下にしゃがみ込みその遺品に手を添えた。
「ベリルっ」
老人はベリルを強く抱きしめて泣き声を上げた。
胸につかえていた想いを、少年に一気に解き放つように。
「……」
ベリルはそれを、ただ黙って目を閉じその腕に手を添える。



