俺がぶっ倒れた時、薬草を採ってきたのはあいつだって後で聞かされたな。

 まさか俺が全身、浸かるなんて思ってなかったんだろうなぁ。

 無表情で焦ってたんだと思う。

「ってか俺って、かなり鈍い?」

 あいつは服脱ぐ前に、風呂の湯が無くなっている事に気付いたし……

「だああぁぁー! 腹立つ!」

 覚えてやがれ! いつか絶対、ギャフンと言わせてやる。

「……」

 考えたら、ベリルは『あの』長老に育てられたんだよな……

「俺なんか敵わない気がしてきた」

 ていうか長老言い負かしてるし。やばい、虚しくなってきた。

 早く集落についてゆっくりしよう……

 1人、一喜一憂しながら集落に向かうライカであった。