王国ファンタジア【流浪の民】外伝~震える大地

 彼も、知りたかったのだ。本当に不死になったのかを。

 これは、それを知るチャンスかもしれない。いつかは必ず知る事になるのだろうが、早くても問題は無かろう。半ば、呑気な考え方だ。

 男たちの手にもナイフやナタが握られる。

「このまま諦めるというのはどうだ? 面が割れている。悪さは出来ん」

「うるせぇ。後には引けねえんだ」
「やっちまえ!」

 一斉に飛びかかる。ベリルはダガーを抜かずに3つの刃をかわした。

 輝くエメラルドの瞳。妖しい光に、1人の男が後ずさりした。

「……」

 こいつの身のこなし、ただ者じゃねぇ……

「てめぇ、何者だ?」
「流浪の民」
「!? 流れ戦士の?」

 ベリルの表情に、男は恐る恐る質問してみた。

「……名前は?」
「ベリル」