「僕のせいで……」

 うなだれるオルネアス。ヴァラオムは少年の肩にポンと手を置き、

[いや、これは幸運だ。君がさらわれた方が危険だった]

「でも……っ」

 オルネアスはすがるような眼差しを向ける。

[心配はいらないよ。全て彼がなんとかするから]

 もしも何かあれば、あの剣が飛んでいくだろう。

 相手がどこまでの手合いなのかは解らないが。

 これは、本当に不死になったかの確認も出来るのでは……ヴァラオムは眉をひそめた。

 それは、知りたい事でもあり、知りたくない事でもあった。

 ドラゴンは永遠に近い命を持っている。しかし、死から逃れられる訳ではない。致命傷を負えば死ぬ。

 だが……ベリルはどうなのだろうか?

[……]

 自らの考えに、背筋から冷たいものが流れた。