ドラゴン討伐に呼ばれたマルタ。それについてきたのが彼女の親友であるエナ。

 そんな2人についてきたのがユリエス。という構図だ。

「作るのは明日でもいいかな? ひとまず宿に案内してほしい」

 いつものようにヴァラオムを紹介したあと、ベリルが言った。

「あ、じゃあうちにどう? どうせおばばと2人だけだし。部屋あまってるから」

[3人も大丈夫か?]

 ヴァラオムの心配に、マルタはさらりと言い放つ。

「ユリエスは入り口でもいいでしょ」
「俺そんな対応!?」
「私はどこでも構わんよ」

 ベリルは小さく笑った。マルタは笑顔で右手を軽く振る。

「いやいや折角、来てくれたんだし。お客さんだから~」

「俺は客として扱ってくれねーのかよ」
「あんたは付属品」

 スパッとエナが斬り捨てる。

 相変わらずだ、こいつらの横暴振りは……ユリエスは心で泣いた。