「ちょっと頼まれて荷物運んでたんですけど、俺には重くて」

 照れ笑いする。小さな馬車、灰色の馬がつなげられている。

 ベリルがその馬車に近寄ると──

「……パラライズ」
「!?」

 バチ! という音と共にベリルの全身に電撃が走り、そのまま意識を失った。

「……」

 地面に倒れているベリルを、ユリエスは苦い顔で見つめた。その手には鍵。