食事を終え、暖炉の前で2人しゃがみ込む。

 ベリルは家に保管してあった武器の手入れを始めた。

「……いつ発つんだ?」

 ぼそりと問いかける。

「ん、まだしばらくは居るよ」
「次はいつ来る?」

「さあ、いつかな」

 ベリルの言葉に、レインは自然と体が強ばった。

 そんなレインを静かにベリルは見つめる。

「我々の規則では……」
「!」

「17歳になると旅に出る。それまでに気の流れを学び、制御出来るようにしておけ」

「……」

 レインは一瞬、目を見開いたがすぐに彼を睨み付けた。

「誰もそんな事、聞いてない!」

 勢いよく立ち上がり、部屋に駆けていった。

 ベリルはその後ろ姿を目で追いながら、肩をすくめた。