「……」

 ベリル、私たちを導いて……パドメは自然と、そう祈っていた。

 彼は英雄になる気も、先頭に立つ気も無い事は解っている。

 それでも、人々はあなたを求める。私には、そんな気がしてならない。

「……」

 パドメは子どもたちの頭をなでる。そして愛しい夫に思いをはせた。

 セシエル……どうか、彼の助けになってあげて。

 あなたならきっと、ベリルの助けになれるから。

 パドメは子どもたちの手を引いて、家に足を向けた。